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Posted by さがファンブログ事務局  at 

2008年12月02日

ヘビの脳が弱った子

昨日に引き続き、ちょっと重い話題になります。
ごめんなさい。
でも、ずっと心に引っかかってるので書かせて下さい。

私の教室では、この13日に発表会をします。

昨日の記事の子も、その日に向けて頑張ってきたのですが、ここへ来て、迷っているようです。

そしてまた、新たな悲鳴が聞こえてきました。

彼女は大人ですが、心がとても弱っています。
音楽は好きだし、歌も好きだから、何かやりたい!という気持ちは持っているのです。
が、どこか完璧主義なところがあるんでしょうね。
やるとなったら、構えてしまって、一歩を踏み出せないのです。

心の状態が上向きな時は、やる気に溢れているので、「私も何かやりたいです!」と言ってきます。
私としても、彼女がそんな気持ちになってる時に何かしてやりたいと思うので、mariちゃんと相談して、ゴスペルをやる事にしました。
合唱やソロで歌うのと違って、思いっきりお腹の底から声を出す・・・これが一番のストレス発散になると考えたからでした。

曲を決め、さあいよいよ練習にかかろうかという時になって、彼女の心は また下向きになっていました。
「歌いたい気持ちはあるのですが、先生にビシッとレッスンされそうで怖いし。。。」なんていうメールがきました。
「ビシッと・・」なんて、そんな訳ないでしょう~(^_^;)・・・と思ったけれど、それは単なる理由付けをしただけで、いざ何かをやろうと踏み出す事が怖いのです。
人に会うのも、考えただけで疲れるのでしょう。

暫くしたらまた「歌いたい」と言ってくるかもしれないので、そのまま練習は続ける事にしました。
彼女抜きでも7人は歌い手がいますので、立派なゴスペル隊ができました。
彼女が歌いたいと言えば、その中に包み込めば良いだけです。
準備は整っています。

一週間ほど前、また連絡がありました。
「何かをやりたい」という気持ちが見え隠れしていました。
なので、もう一度 誘ってみました。
そうしたら、「歌いたいです。練習時間を教えて下さい」という返事がきました。
彼女の為に練習時間を設定して連絡しました。

そして、一週間後、今度は電話がありました。

先生、私、今 鬱状態がひどくて、浮き沈みが激しいのです。
だから、こんな状態では練習できないし、行くと言ったり行かないと言ったり二転三転していては皆さんに迷惑をかけるので、今回はやはり止めておきます。


誰にも迷惑はかけないよ。
行くと言ったり行かないと言ったり・・・それで全然大丈夫だよ。来たかったら来るって みんなちゃんと分かってるよ。
来たくなかったら来なくていいの。 他の人の気持ちなんて心配しなくていいから。自分の事だけを考えて、自分のやりたいようにしたらいいの。 ちゃんとわかってるから、考えすぎないようにしてね。


私はそう答えました。

すみません・・・彼女はそう言って電話を切りました。

一歩踏み出すというのは、簡単なようで難しい。
「勇気」を出すというのは 大変な事です。

私は、昔から「勇気はなかなか出ないけれど、元気を出せば何でもできる」と自分に言い聞かせてきました。
でも、その「元気」さえ出せない人も沢山いるのです。
「元気を出せば何でもできる」なんて言いながら どんどん前に進めるというのは、なんと幸せな事なのかと、その子を見ていて思います。

子供の頃 いじめにあった子は「ヘビの脳」が弱ってしまうそうです。
「ヘビの脳」は「命を支える脳」です。これが弱ると生きる力が出ません。
自分の意志や感情だけでは どうにもならないのです。

だからこそ、まわりの手助けが必要なんだと思うのですが、何をどうしてあげれば良いのか・・・。
良かれと思ってした事が裏目にでる事もあります。

私に「やっぱり歌いに行けない」と電話してきた彼女は、私にどう答えて欲しかったのでしょうか。

電話やメールで優しい言葉をかけてあげる事は簡単だけれど、彼女が本当に求めている事は何なのか。
本人が言わない事を こうではないか、ああではないかと、考えてみるばかりの日々なのです。



  
タグ :ヘビの脳


Posted by chil-chil  at 15:17Comments(0)想い