2010年06月21日

中国残留孤児の夫達とナザレ園の日本人妻達

「中国残留孤児 夫達の歳月」という番組を見ました。

夫は中国人、そして妻の祖国は日本。
文化大革命という激動の中でも妻を守り、69年の歳月を経て、妻の祖国日本への永住帰国に同行した中国人夫たちに焦点を当てた番組でした。
妻にとっては祖国である日本は、彼等にとっては異国。
「どこに住むか」よりも「妻と暮らす」ことを選んだけれど・・・たちまち言葉や習慣の壁に戸惑う老齢(74歳)の男性。。。

重い内容でしたが、目が離せませんでした。

そして、この番組を見ながら私は、2000年と2003年に訪問した、韓国の「慶州ナザレ園」のおばあさん達を思いました。
終戦後、多くの日本人が満州や挑戦から帰国する中、朝鮮人と結婚した日本人妻の中には日本に帰らず、朝鮮に残る事を選んだ女性達がいました。
その後、夫が他界してしまったり、様々な理由により独り身になり、帰国もできず取り残されてしまった女性達。。。
そんな日本人妻を救済するために設立されたのが「慶州ナザレ園」でした。

もちろん そこは 一時的な保護所としての園であり、帰国の為の支援をされ、多くの日本人妻が帰国を果たしたのでした。
が、日本に身元引受人がみつからないまま そのままずっとナザレ園で暮らされた方もありました。

私が最初に訪問した時は、確か20余名の日本人妻のおばあさん達がいらっしゃいました。
教会が併設されており、ミサの後 交流会を開いて下さり、おばあさん達とお話したりゲームをしたり楽しみました。

我々は、日韓交流の音楽祭出演のため 韓国に行ってましたので、歌も歌いました。
アリエッタで「アメイジング・グレイス」を歌いました。
歌いながら、「私は この歌を練習してきたのは、きっと ここで歌うためだったのだ。神様がこの歌を与えて下さったのだ」と感じ、涙ながらに代表の兪さんに話したのを覚えています。

お話したおばあさんの中に、武雄出身の方もいらっしゃいました。
矍鑠とした方もあれば、もうかなりのお年で弱々しい方もありました。
別れ際「また いらっしゃいね」と あるおばあさんが私の手を握って言われました。
私も「はい、必ず また来ますね」と答え、後ろ髪をひかれながら ナザレ園を後にしました。

こんな風に日本から 沢山の慰問の方が来られるのでしょうけれど、殆どがほんの数時間で帰ってしまう。
懐かしさで喜んだかと思うと、すぐに別れの辛さを味わわなければならない。
おばあさん達にとって、我々の訪問は かえって残酷なのではないだろうか・・・。
重い心を抱えて帰りました。

その三年後、我々は 再度ナザレ園を訪問しました。
大邱ユニバーシアード公式行事 『世界大学合唱祭」に参加した時でした。

ナザレ園に行き、私は真っ先に「またいらっしゃいね」「はい必ず来ますね」と約束したおばあさんを探しました。
しかし、時すでに遅し・・・亡くなられていました。。。

一緒に行った大学生や高校生も一生懸命交流をしていました。
ある高校生の女の子を見たら、いつもは無口でおとなしい子が とても楽しそうにおばあさんお話していました。
そして、別れ際、その子は おばあさんの手を握りながらわんわんと号泣していたのでした。

おばあさん達にとっては残酷な慰問かもしれないけれど、少なくとも この若者達は ここへ来た事を一生忘れないだろうし、戦争が終わっても続く悲劇を多少なりとも心に刻む事が出来たのだな・・・と、訪問の意味を確認できた気がしたのでした。

更に年を重ねられた日本人妻のおばあさん達、ナザレ園に 今は何人残られているのでしょうか。
自分勝手かもしれないけれど、機会があれば もう一度訪問したいと思っているんですが・・・。


韓国訪問の画像があるはずだと探したけど行方不明。
でも 有田での日韓交流音楽会のが出てきました。
なんと8年前です。。。kyokoちゃんがピアノ弾いてくれたのでした♪

中国残留孤児の夫達とナザレ園の日本人妻達

中国残留孤児の夫達とナザレ園の日本人妻達



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Posted by chil-chil  at 00:47 │Comments(2)想い

この記事へのコメント
重い内容ですが、興味あります。

国際的な活動ですね。
環境は違えど、音楽の力でひとつになれるんですね。

真剣に読んでしまいました。
Posted by 中津の偽セレブ at 2010年06月21日 20:07
中津のセレブ様♪

戦争を知らない私達ですが、戦争を語った本を読むより、映画を見るより、こういう方達の声を聞いた時こそ、戦争の悲惨さを感じますよね。
Posted by chil-chilchil-chil at 2010年06月22日 08:43
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