2012年03月04日
なんという尊さよ

昨日は地元の看護学校も卒業式でした。
来賓の方のご挨拶の中で、昨年の震災の直後、美智子皇后から看護協会へ被災地への対応はどうなっていますかというお電話があった事を話されました。
看護協会ではいち早く緊急時の対応をとられている事を伝えられると、皇后さまは大変安堵なさったという事でしたが、子どもの頃からの美智子様ファンの私としては、美智子様の優しさに触れて感動


これから看護職につく卒業生は、いのちの大切さ、親子の絆、人は一人では生きていけないのだという事を心において頑張って欲しいとのお話を聞きながら、この明るい笑顔を持ったこの若者達は、そんな重責を担って社会に出るんだなぁ。。。と胸がいっぱいになりました。
在校生からの送辞の中にも心に残った言葉がありました。
「実習を通して感じたのは、我々はいかにして”優しさと愛情”を表現できる人であるかという事」でした。
本当にその通りですよね。
病気や怪我によって、体だけでなく心が弱くなった人達が一番欲しているのは、”優しさと愛情”なんですよね。
卒業生からの答辞は、例年通り、代表者による卒論の紹介でした。
看護実習の中で関わった患者さんの事例を、自分なりの言葉で紹介してくれます。
その言葉の中には、弱い人の心に 優しく寄り添う 一生懸命な学生の姿が見えます。
そして、どんなに尽くしても、命の炎が消えてしまう瞬間を止められない現実も目にします。
難病と闘う人に どんな言葉をかけてあげれば良いのか戸惑いながらも「何か少しでも力になりたい」という純粋なで強い思いが彼らを突き動かし、両手を広げて包みこもうとしている姿に、とてもとても感動して 涙が溢れました。
でも私は ここでこうして この一つの事例を聞いて涙が流しているだけ。
彼らは これから ずっと何人も何十人も何百人も 多くの患者さんの心に寄り添っていくのです。
寄り添うためには、優しさだけではなく強さも持ってなければなりません。
すごい事です。
そして、なんという 尊いことでしょうか

准看護科は歴史も古いのですが、看護科は今年は17回生の卒業式でした。
私がこの学校に講師としてお世話になり始めた頃は まだ准看護科だけでしたから、私自身も ざっと20回以上 この卒業式に列席させて頂いているという事ですね。
いつも楽しそうに歌って笑っている脳天気な先生というイメージしかないかもしれないけど(多分)、一年に一度、この尊い時間に参加させていただいている事に感謝せずにはいられません。ありがとうございます。
そして、卒業式の間、大切な友達の事を思いました。
彼女は、30年と11ヶ月、看護の仕事をしてきましたが、先月 退職したそうです。
私は彼女がお仕事をしている姿は見た事がないけれど、彼女のブログで患者さんとの関わり方を見てきましたし、彼女の優しい人柄は知っています。どんなにか心をこめて誠心誠意看護してきたか よくわかります。
彼女の優しさや温かさを人にそそぐかわりに、痛みや辛さを受け入れてきたでしょう。
30年経って、彼女の受け入れる器がいっぱいになって、とうとう溢れはじめたのかなと思ったりもしました。
そうだとしたら、もうこれで全うしたのね。
お疲れさまでしたね
大切で尊いお役目、ありがとう。
